▪︎65歳以上の現状

「健康で質の高い人生を過ごしていきたい」それは皆が思うことですが、残念ながら多くの人が人の手をかりて長い期間(平均6.4年)を過ごすのが日本の現状です。介護が必要になる背景には、肥満からくる脳血管疾患、低栄養による衰弱、バランスを崩した結果の骨折、そして認知症があります。これらはすべてよく噛めない、噛まないということに直結しています。

よく噛める状態にして「健康に年を重ねていくこと」を目指すことが、私たちの目的です。

▪︎最近もの忘れがひどくないですか?

残っている歯が少なくなると脳も萎縮し、脳機能が低下するという研究の成果が報告されています。

ガムを噛むことにより脳の血流量が約28%増加し、脳の活性が高まるという実験結果もあります。ただし、健康な歯の人たちでは、脳の運動野、感覚野、捕捉運動野が明瞭に活性化されているのに対して、総入れ歯の人たちは活性化の範囲が不明瞭となり、活動量も多く脳への負担が懸念されました。一方、入れ歯からインプラントに変更した人たちは、健康な歯の人たちと非常に近い脳の活性化することが明らかにされています。このようにガムを支障なく噛めるようなお口の状態にしておくことも重要です。

会話を楽しみながら何でもおいしく食べられることは、社会性の向上とともに認知症の予防にも関係しています。

▪︎生活を楽しんでいますか?

自由に歩ける、外出できるということは、自立した生活ができることを意味しています。それを実践するためにも、しっかりと歩くことができて、転倒による骨折の危険性を下げることが重要です。たとえ入れ歯を入れていても、奥歯で噛み締められない人は開眼片脚立ちなどの運動機能が低下しやすいことがわかっています。

しかし、インプラン卜で天然歯に近づけた機能回復をした人は、低下した運動機能が回復することがわかってきました。

▪︎適切な栄養が摂れていますか?

「食」という字は「人」を「良く」すると書きます。

生物としての人間にとって、食べるということは生きることなのです。よく噛めないままでは全身状態だけ気をつけても効果は上がりません。

全身状態を良好に保つためには、まずよく噛めることが必要なのです。

▪︎食事や会話を楽しんでいますか?

多くの歯をなくしてしまうと、食事を摂りにくくなるばかりではなく、表情や発音にも支障を来します。このような状態では、地域社会においても引っ込み思案になり、会食や旅行、友人とのおしゃべりなども楽しくなくなります。これでは身体的にも精神的にもストレスとなり悪い影響がでてきます。

家族や友人といっしょに豊かな表情で笑いながら、おいしく楽しく食事や会話ができることは、全身の健康増進とともに精神的にも健康な状態が得られます。そのためには、まず美しくて健康なお口の状態を取り戻すことが大切なのです。